光線力学的療法(PDT:Photo Dynamic Therapy)
加齢黄斑変性症の治療法
光線力学的療法(PDT:Photo Dynamic Therapy)
光線力学的療法(PDT:Photo Dynamic Therapy)では、黄斑の中心窩に新生血管がある場合を対象に04年5月から公的医療保険が適用されています。
光線力学的療法(PDT)は、光に薬剤を体内に注射した後に、病変部位にレーザーを照射する治療法で、レーザーを照射して、網膜や脈絡膜に損傷を与えずに新生血管だけを破壊することを目的とした治療法です。
黄斑部網膜が強いダメージを受けていると光線力学的療法は不可
光線力学的療法(PDT)実施の対象は、加齢黄斑変性の全てが光線力学的療法(PDT)の適応となるわけではなく、通常の視力が0.1~0.5の患者で、病変部が1.8mm以下と比較的小さい場合や、血管がポリープ状になっているタイプは効果が出やすいとされています。
黄斑部網膜がすでに強いダメージを受けている場合にはPDTを施行しても視力改善が期待しにくいこともあります。
光線力学的療法(PDT)の治療法
光線力学的療法(PDT)はまず、光感受性物質であるベルテポルフィン(Verteporfin)(ノバルティス ファーマ株式会社の製品名:ビスダインVisudyne®)という薬を腕から静脈に注射します。その後、網膜の新生血管に薬が届いたところで、PDT専用のレーザー装置を用い、689nmの弱いレーザー光を照射すると、ベルテポルフィン(Verteporfin)薬が活性化して新生血管を閉塞させます。
この場合、少なくとも初回照射時、薬剤投与後48時間は体内から薬剤が完全に排出されないため、遮光目的に厚生労働省より入院治療が義務づけられています。
これは、体から薬が抜けないまま皮膚に強い光が当たると、やけどを負う可能性があります。退院後も3日間は外出時に長袖、長ズボンに手袋、帽子、サングラスを着用しなければならず、手術や歯科治療も受けられません。
3ヶ月に一度造影検査で約3回の治療
1回で新生血管が消えることは少ないので、光線力学的療法(PDT)は3ヶ月に一度造影検査を行い、必要と認められれば再度同じ治療を行います。日本での臨床治験(JAT study)では48ヶ月間に平均2.8回の治療が必要であった、となっています。
これまでは新生血管がある場合、レーザー光で焼き固めるレーザー光凝固術という治療法が使われていましたが、レーザー光凝固術は、正常な組織にも損傷を与える恐れもあり、視細胞が集中する黄斑の中心に新生血管がある場合は実施できませんでした。
しかし光線力学的療法(PDT)は、上記の点を補うことのできる一つの治療手段になってきています。
04年5~8月にPDTを実施した469人(471眼)を対象に1年後の成績を分析した研究では、25%で現状改善が見られています。
光線力学的療法(PDT)は、講習を受け、日本PDT研究会の認定試験に合格した認定医のみが施行でき、また特殊な機器が必要であるため施行施設はまだ限られているのが実情です。
さらには、保険適応されているが薬剤が高く、高額な自己負担が必要になることも念頭においてください。
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